# この恩赦法施行規則の翻訳は、平成十八年法務省令第五十九号までの改正(平成18年5月24日施行)について、「法令用語日英標準対訳辞書」(平成18年3月版)に準拠して作成したものです。なお、この法令の翻訳は公定訳ではありません。法的効力を有するのは日本語の法令自体であり、翻訳はあくまでその理解を助けるための参考資料です。この翻訳の利用に伴って発生した問題について、一切の責任を負いかねますので、法律上の問題に関しては、官報に掲載された日本語の法令を参照してください。 恩赦法施行規則(昭和二十二年司法省令第七十八号) 第一条  恩赦法(昭和二十二年法律第二十号)第十二条の規定による中央更生保護審査会の申出は、刑事施設(少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第五十六条第三項の規定により少年院において刑を執行する場合における当該少年院を含む。以下第一条の二、第六条、第八条及び第十一条第三項において同じ。)若しくは保護観察所の長又は検察官の上申があった者に対してこれを行うものとする。 第一条の二 1 次に掲げる者は、職権で、中央更生保護審査会に特赦、特定の者に対する減刑又は刑の執行の免除の上申をすることができる。  一 刑事施設に収容され、又は労役場若しくは監置場に留置されている者については、その刑事施設の長  二 保護観察に付されている者については、その保護観察をつかさどる保護観察所の長  三 その他の者については、有罪の言渡しをした裁判所に対応する検察庁の検察官 2 前項各号に掲げる刑事施設若しくは保護観察所の長又は検察官は、本人から特赦、減刑又は刑の執行の免除の出願があったときは、意見を付して中央更生保護審査会にその上申をしなければならない。 第二条 1 特赦、減刑又は刑の執行の免除の上申書には、次の書類を添付しなければならない。  一 判決の謄本又は抄本  二 刑期計算書  三 犯罪の情状、本人の性行、受刑中の行状、将来の生計その他参考となるべき事項に関する調査書類 2 本人の出願により上申をする場合には、前項の書類のほか、その願書を添付しなければならない。 3 判決原本の滅失又は破損によって判決の謄本又は抄本を添付することができないときは、検察官が自己の調査に基づき作成した書面で判決の主文、罪となるべき事実及びこれに対する法令の適用並びに判決原本が滅失し又は破損したこと及びその理由を示すものをもって、これに代えることができる。 第三条 1 次に掲げる者は、職権で、中央更生保護審査会に復権の上申をすることができる。  一 保護観察に付されたことのある者については、最後にその保護観察をつかさどった保護観察所の長  二 その他の者については、最後に有罪の言渡しをした裁判所に対応する検察庁の検察官 2 前項各号に掲げる保護観察所の長又は検察官は、本人から復権の出願があったときは、意見を付して中央更生保護審査会にその上申をしなければならない。 第四条 1 復権の上申書には、次の書類を添付しなければならない。  一 判決の謄本又は抄本  二 刑の執行を終わり又は執行の免除のあったことを証する書類  三 刑の免除の言渡しのあった後又は刑の執行を終わり若しくは執行の免除のあった後における本人の行状、現在及び将来の生計その他参考となるべき事項に関する調査書類 2 第二条第二項の規定は、前項の場合にこれを準用する。 3 第二条第三項の規定は、第一項第一号の書類についてこれを準用する。 第五条  恩赦法第十条第二項 による復権の上申書には、回復すべき資格の種類を明記しなければならない。 第六条 1 特赦、減刑又は刑の執行の免除の出願は、刑の言渡し後次の期間を経過した後でなければ、これをすることができない。ただし、中央更生保護審査会は、本人の願いにより、期間の短縮を許可することができる。  一 拘留又は科料については、六箇月  二 罰金については、一年  三 有期の懲役又は禁錮については、その刑期の三分の一に相当する期間。(短期と長期とを定めて言い渡した刑については、その刑の短期の三分の一に相当する期間。)ただし、その期間が一年に満たないときは、一年とする。  四 無期の懲役又は禁錮については、十年 2 拘禁されない日数は、刑の執行を終わり又は刑の執行の免除を受けた後の日数及び仮釈放中又は刑の執行停止中の日数を除くほか、前項第三号及び第四号の期間にこれを算入しない。 3 前項の規定は、刑の執行を猶予されている場合には、これを適用しない。 4 第一項ただし書の願いをするには、願書をその願いに係る特赦、減刑又は刑の執行の免除について上申をすることができる刑事施設若しくは保護観察所の長又は検察官に提出しなければならない。 5 第一条の二第二項の規定は、第一項ただし書の願いがあった場合にこれを準用する。 第七条  復権の出願は、刑の執行を終わり又は執行の免除のあった後でなければ、これをすることができない。 第八条  刑事施設若しくは保護観察所の長又は検察官が本人の出願によりした特赦、減刑、刑の執行の免除又は復権の上申が理由のないときは、その出願の日から一年を経過した後でなければ、更に出願をすることができない。 第九条 1 特赦、減刑、刑の執行の免除又は復権の願書には、次の事項を記載し、かつ、戸籍の謄本又は抄本(法人であるときは登記事項証明書)を添付しなければならない。  一 出願者の氏名、出生年月日、職業、本籍及び住居(法人であるときはその名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)  二 有罪の言渡しをした裁判所及び年月日  三 罪名、犯数、刑名及び刑期又は金額  四 刑執行の状況  五 上申を求める恩赦の種類  六 出願の理由 2 前項の規定は、第六条第一項ただし書の許可を受ける場合にこれを準用する。 第十条 1 中央更生保護審査会は、特赦、減刑、刑の執行の免除又は復権の上申が理由のないときは、上申をした者にその旨を通知しなければならない。 2 前項の通知を受けた者は、出願者にその旨を通知しなければならない。 第十一条 1 特赦、特定の者に対する減刑、刑の執行の免除又は特定の者に対する復権があったときは、法務大臣は、中央更生保護審査会をして、有罪の言渡しをした裁判所に対応する検察庁の検察官に特赦状、減刑状、刑の執行の免除状又は復権状(以下「恩赦状」という。)を送付させる。 2 恩赦状の送付を受けた検察官は、自ら上申をしたものであるときは、直ちにこれを本人に交付し、その他の場合においては、速やかにこれを上申をした者に送付し、上申をした者は、直ちにこれを本人に交付しなければならない。 3 上申をした者は、仮釈放中の者に恩赦状を交付したときは、その旨を刑事施設の長に通知しなければならない。 4 第二項に規定する恩赦状の交付及び前項の通知は、これを本人の住居のある地を管轄する保護観察所の長、本人の住居のある地を管轄する裁判所に対応する検察庁の検察官又は本人が収容されている刑事施設(本人が労役場又は監置場に留置されている場合における当該刑事施設を含む。)若しくは少年院の長に嘱託することができる。 第十二条  恩赦状を本人に交付した者は、速やかにその旨を法務大臣に報告しなければならない。 第十三条  恩赦法第十四条の規定により判決の原本に付記をなすべき検察官は、有罪の言渡しをした裁判所に対応する検察庁の検察官とする。 第十四条 1 検察官は、恩赦法第十四条の規定により判決の原本に付記をした場合において、訴訟記録が他の検察庁に在るときは、その検察庁の検察官にその旨を通知しなければならない。 2 前項の通知書は、これを訴訟記録に添付しなければならない。 第十五条  有罪の言渡しを受けた者で大赦により赦免を得たものは、有罪の言渡しをした裁判所に対応する検察庁の検察官に申し出て、その旨の証明を受けることができる。政令により復権を得た者も、同様である。 附 則(抄) 第十六条  この省令は、公布の日から、これを施行する。 第十七条 1 朝鮮若しくは台湾又は関東州、南洋群島その他日本国外の地域において有罪の言渡しを受けた者については、当分の間、第一条の二第一項の規定にかかわらず、内地(沖縄県及び樺太を除く。以下同じ。)におけるその者の本籍又は住居のある地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検察官は、職権で、中央更生保護審査会に特赦、減刑又は刑の執行の免除の上申をすることができる。 2 前項に規定する検察官は、前項に規定する者から特赦、減刑又は刑の執行の免除の出願があったときは、当分の間、第一条の二第二項の規定にかかわらず、意見を付して中央更生保護審査会にその上申をしなければならない。 第十八条 1 前条第一項に規定する者については、当分の間、第三条第一項の規定にかかわらず、内地におけるその者の本籍又は住居のある地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検察官は、職権で、中央更生保護審査会に復権の上申をすることができる。 2 前項に規定する検察官は、前条第一項に規定する者から復権の出願があったときは、当分の間、第三条第二項の規定にかかわらず、意見を付して中央更生保護審査会にその上申をしなければならない。 第十九条  大正元年司法省令第三号恩赦令施行規則は、これを廃止する。